Shopifyには無料・有料を含め、数多くのアプリが提供されています。
CustomShipは、Shopifyの標準機能では難しい各種送料を設定できるサードパーティ製のアプリ。
例えば、こういった設定が可能です。
- 離島送料
- クール便送料
- 購入金額ごとの送料
- 複数条件を満たした送料
さまざまな送料を設定できる反面、日本語版が提供されていないので設定にお困りの方も多いのではないでしょうか。
今回は、CustomShipのインストール方法や送料の設定方法をご紹介します。
CustomShipの公式サイト:https://www.bywardlabs.com/customship/help/ja
※ページ掲載の画面は2023年12月現在のものです。
CustomShipのインストール方法
CustomShipをはじめとするShopifyアプリは、いずれもアプリストアからインストールします。
手順は以下のとおりです。
1. アプリをインストールしたいShopifyアカウントにログイン
2. Shopifyサイトの管理画面から「アプリを追加」をクリック
3. 「あなたへおすすめ」アプリ一覧に「Customship」がない場合は、「Shopify App Storeでアプリをさらに探す」をクリック。
4. 表示された画面の検索ボックスに「Customship」を入力して検索。
5. CustomShipのインストール画面にて「インストール」をクリック。
6. Shopifyの管理画面に戻るので「Customshipをインストール」をクリック。
7. 下図の画面が表示されればインストールは完了です。
8. 追加したアプリはメニューにピン留めしておくと便利です。
設定項目
CustomShipは日本語版が提供されていないため、導入をためらわれている方もいらっしゃるようです。
何を設定すれば良いのかを理解すれば、設定はさほど難しくないので、以下、設定項目について見ていきましょう。
- Public Details
カートに表示される配送料の名前と詳細情報を設定。 - Advanced Settings
フルフィルメントサービスを利用する場合に設定。
※フルフィルメントサービスとは、物流倉庫にて注文の準備から発送までの出荷業務を代行する外部業者のこと。 - Price
送料を設定。 - Limits
重量や商品価格の上限・下限を設定。 - Additional cost per item
特定の商品に対しての割増送料を設定。 - Filters
各種条件を設定。
設定において注目すべき項目は「Filters」です。
Filtersに条件を設定することで、条件に合致した場合に作成した送料が適用されます。
条件の設定方法は
「A(Field)にB(Value)がCする(Verb)とき」
を指定するだけの至ってシンプルなものです。
- Field
Shopify上で定義されているフィールド(住所、市区町村名、国別コード、都道府県コード、郵便番号、会社名、商品名、商品SKU、販売元) - Value
上記フィールドにて設定されている可能性のある値 - Verb
AとBを関連づける方法(正規表現、含む、含まない、等しい、開始文字列、終了文字列)
例えば、「商品名に”セール中”の文字列が含まれる商品」にのみ送料を適用したい場合は、
「Fieldには『商品名』、Valueには『セール中』、Verbには『含む』」
を指定します。
条件指定の仕組みさえ理解していれば応用が利くようになるので、是非この点はしっかりと理解しておきましょう。
送料設定
基本的な設定方法
CustomShipでの基本的な送料設定について、北海道・基本送料の設定を例に説明します。
1. New Shipping Rateをクリック。
2. Public DetailsのName欄に「北海道」と入力。
条件分岐(1kg以上は送料が異なる、等)がある場合は、Description欄に記載。
※CustomShipの設定一覧画面は文字コード(UTF-8)順に並ぶため、北海道から南下するかたちで順番に並べたい場合は「01北海道」のように入力しましょう。
3. PriceのBase price欄に送料を入力
4. FiltersのAdd FilterをクリックしてFilterを追加し、以下の条件を設定
- Field:State / Province 2 letter code(都道府県コード)を選択
- Verb:Equal(等しい)を選択
- Value:JP-01(北海道の都道府県コード)を入力
5. Saveをクリック
6. 下図のように一覧画面に表示されれば登録が完了です。
離島送料
※以下は離島送料が一律の場合の参考例です。
まずは離島送料を判別する仕組みを理解しておきましょう。
離島かどうかは郵便番号によって判別されます。
よって、離島の送料はFiltersに以下の条件を指定します。
- Field:Zip / Postal code(郵便番号)を選択
- Verb:Regular Expression(正規表現)を選択
※EqualやIncludeでもかまいません。 - Value:^.*(離島の郵便番号A|離島の郵便番号B|離島の郵便番号C~~~~)$
離島に該当する郵便番号をすべて、正規表現で入力します。
上記の意味は「値が”離島の郵便番号AまたはBまたはC”」です。
実際の入力値としては
^.*(043.*1400|043.*1401|043.*1402~~省略~~)$
となります。
郵便番号部分を「000.*0000」の形式で表現しているのは、例えば郵便番号が「043-1400」の場合に、「0431400」でも「043-1400」でも合致させるための記述です。
実際に登録する内容は以下のとおりです。
- Public Details(Name欄)
離島送料
- Price(Base price欄)
離島の送料
- Filters
Field:Zip / Postal code(郵便番号)を選択
Verb:Equal(等しい)を選択
Value:^.*(043.*1400|043.*1401|043.*1402~~省略~~)$
(コピーしてお使いください)
離島送料の設定自体は完了です。
離島のみ送料がかかる場合は離島送料を設定するだけで済みますが、離島ではないエリアも送料がかかる場合は、基本エリアの送料設定から離島エリアを除外しなくてはなりません。
この設定を忘れてしまうと、例えば、購入者が「北海道内の離島」だった場合は、下図のように「北海道」と「離島」の複数の送料が表示されてしまいます。
基本エリアから離島を除外する方法は、既存(北海道の基本送料)の設定に以下のFilterを追加します。
- Field:Zip / Postal code(郵便番号)を選択
- Verb:Regular Expression(正規表現)を選択
- Value:^(?!.*(043.*1400|043.*1401|043.*1402~~省略~~)).*$
(コピーしてお使いください)
※文頭・文末の正規表現が離島送料で設定したものと違うので注意してください。
実際に注文画面を見てみると、以下のように離島送料だけが表示されています。
クール便送料
Shopifyの商品管理ではクール便を判断する項目がないため、任意の情報にクール便であることを定義する必要があります。
ここでは、商品のSKUを利用してクール便を定義します。
方法は、商品のSKUの末尾に「COOL」という文字列を付与するだけです。
クール便商品の定義が終わったので、北海道・クール便送料の設定を例に見ていきましょう。
Filtersには2つの条件設定が必要です。
- 北海道を判別する条件
- クール便を判別する条件
実際に登録する内容は以下のとおりです。
- Public Details(Name欄)
北海道・クール便
- Price(Base price欄)
北海道のクール便送料
- Filters
Field:State / Province 2 letter code(都道府県コード)を選択
Verb:Equal(等しい)を選択
Value:JP-01(北海道の都道府県コード)を入力
Field:Product SKU(商品のSKU)を選択
Verb:End with(終了文字列)を選択
Value:COOL
「One item must match the above」を選択
※Product SKUを選択した場合に表示されます。
基本送料・クール便送料それぞれの商品が混在した場合に、上記を選択することで1つでもクール便の商品が入っていればクール便送料になる設定です。
北海道・クール便の送料自体は完了です。
クール便商品のほかに基本商品も取り扱っている場合は、基本商品の送料設定からクール便商品を除外しなくてはなりません。
この設定を忘れてしまうと、例えば、「基本送料の商品とクール便商品を同時購入」した場合は、下図のように「北海道」と「北海道・クール便」の複数の送料が表示されてしまいます。
基本送料からクール便を除外する方法は、既存の設定に以下のFilterを追加します。
- Field:Product SKU(商品のSKU)を選択
- Verb:Exclude(含まない)を選択
- Value:COOL
- 「All items must match the above」を選択
※Product SKUを選択した場合に表示されます。
購入するすべての商品が基本送料の場合にのみ、基本送料を適用する設定です。
実際に注文画面を見てみると、以下のようにクール便送料だけが表示されています。
注意点
CustomShipは条件を定義することで、さまざまな送料を設定できます。
条件を定義する項目はFilters以外にも、今回は紹介していないLimitsやAdditional cost per itemでも設定することが可能です。
すでに理解されている方もいらっしゃるかと思いますが、ご注意いただきたいポイントは、何かの条件を加えた場合は、それ以外の送料設定から除外しなくてはならない場合があるということです。
例えば、「北海道・基本送料」「北海道・クール便送料」「離島基本送料」「離島クール便送料」の4つがある場合は、以下のようになります。
- 北海道・基本送料の設定:離島・クール便の条件を除外
- 北海道・クール便送料の設定:離島の条件を除外
- 離島基本送料:クール便送料の条件を除外
- 離島クール便送料:条件の除外はなし
送料は条件が増えれば増えるほど設定が複雑になりますが、このポイントさえ抑えておけば怖がる必要はありません。
ただし、設定が完了した際にはさまざまなテストパターンを用意して、しっかりテストしましょう。
まとめ
今回は、Shopifyの送料設定アプリ・CustomShipをご紹介しました。
条件が多い場合は設定や保守が大変になりますが、仕組みをしっかり理解しておけば特に問題はないはずです。
とはいえ、複雑な送料体系の場合は配送会社の送料改定ごとに多大なコストになる可能性もあります。
送料を商品価格に含めたり、一律価格を採用したりするなど、シンプルな送料体系にできないか検討してみることもおススメです。
ShopifyによるECサイトの構築をご検討の方は、お気軽に弊社までご連絡ください。
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