
リスティング広告を新しく始めるとき、必要なのが「提案書」です。
どんなキーワードで出すのか。広告文に何を書くのか。除外キーワードはどう設定するのか。これらを整理して、Excelにまとめて、クライアントに提出する。
今回、この提案書の「たたき台」をClaude Code(AIツール)と一緒に作ってみました。結論から言うと、たたき台の段階までなら大幅に時間短縮できます。ただし、AIに丸投げするとダメなポイントもいくつかありました。
実際にやってみた工程と、気づいた注意点をまとめます。
やったことの全体像
今回の流れはこうです。
- ランディングページ(LP)をAIに読み込ませてユーザー像を作成
- キーワード調査ツールのデータをAIに渡して分析
- 広告文と除外キーワードの設計
- 設計内容をAI自身にチェックさせる
- 目視での精査と広告文の手直し
- Excelの提案書として出力
LPを読み込ませて「誰に届けたいか」を整理する
最初にやったのは、広告の飛び先であるランディングページのURLをClaude Codeに渡すことです。
「このページにリスティング広告を出します。ページから想定できるユーザー像を考えてください」
これだけで、ページの内容を読み取って、どんな人が検索しそうかをまとめてくれます。サービスの特長、対応内容、CTAの導線なども拾ってくれるので、広告設計の土台になります。
私の場合、Claude Codeだけでなく他の生成AI(ChatGPTやGemini)にも同じ質問を投げて、3つのAIの回答を突き合わせました。共通して出てくるポイントは信頼度が高いので、それをベースにペルソナを統合しています。
ここでのペルソナは、年齢や職業といった属性で細かくターゲティングするものではありません。「どんな課題を抱えているか」「どんな情報を探しているか」というニーズや検索行動でカテゴライズしたものです。リスティング広告はキーワードで届ける広告なので、「この人はどんな言葉で検索するか」が設計の軸になります。
キーワード調査データをAIに渡して分析する
ペルソナができたら、次はキーワード調査。ここは人間の仕事です。Googleキーワードプランナーと、リクトで契約しているキーワード調査ツールでデータを取得して、そのCSVやExcelファイルをClaude Codeに渡します。
「キーワードプランナーのデータです。分析してください」
AIはデータを読み込んで、検索ボリュームの大小、上昇・下降トレンド、LPとの関連性などを整理してくれるわけです。
地味に助かったこと:文字化けの自動対応
キーワード調査ツールからダウンロードしたCSVファイルは、ツールごとに文字コード(エンコーディング)が異なります。そのまま読み込むと文字化けする場合がありますが、Claude Codeは文字化けを自動で検知して、正しい文字コードに変換してくれました。
私自身は何も指示していません。「このファイルを分析して」と渡しただけで、文字コードの判定と変換を勝手にやってくれた形です。地味ですが、実務では本当にありがたい。
広告文を設計する|「LPに書いてあること」だけで作る
キーワードが整理できたら、いよいよ広告文の設計です。
レスポンシブ検索広告(RSA)では、見出しを最大15本、説明文を最大4本作ります。Claude Codeはペルソナとキーワードの情報をもとに、一気に全パターンを出してくれます。
ただ、やはりAIが出してきたものをそのまま信用するわけにはいきません。
AIは「あるとよさそうなこと」を書いてしまう
最初にAIが出してきた広告文を確認したところ、15本の見出しのうち13本が、LPに書かれていない内容でした。
例ですが「無料で相談できます」「導入から運用まで一括対応」「幅広い業界で実績あり」──どれも広告文としては魅力的ですが、LPにそんな記載はありません。
広告文とLPの内容がずれていると、ユーザーの期待と実際のページが噛み合わず、品質スコアも下がります。
そこで「広告文の内容がLPに載っているか再確認してください」と指示したところ、AIが自分でLPを再取得して、1本ずつ照合してくれました。そしてLP掲載内容だけで広告文を全面的に書き直してくれました。
この「LPに書いてあることだけで広告文を作る」という原則は、AIに任せるときほど大事です。AIは文脈を補完する能力が高いぶん、「あった方がよさそうな情報」を勝手に足してしまう傾向があります。
もちろん、LPに載っていなくても広告文として成立する内容はあります。クライアントの商材や強みを理解していれば、LPの記載以上の訴求ができることもある。ただ、たたき台の段階ではまずLP掲載内容に絞っておいて、そこからクライアントへのヒアリングを経てブラッシュアップしていく方が確実です。最初から根拠のない訴求を盛り込むよりも、事実ベースで固めてから広げる方が手戻りも少ない。
最終的には自分の目で確認して手直しする
AIが書き直した広告文も、最終的には1本ずつ目視でチェックしています。LPとの整合性はもちろん、検索意図に合った訴求になっているか、文字数に無駄がないか、見出し同士の組み合わせで意味が通るかなど、実際に広告として配信することを想定して精査します。
必要に応じて自分で書き直したり、表現を差し替えたりもしました。AIのたたき台があるおかげでゼロから考える手間は省けますが、広告文の仕上げは人間の仕事です。ここは手を抜けません。
文字数チェック|半角換算の罠
Google広告の文字数制限は「半角換算」です。全角の日本語1文字は半角2文字としてカウントされます。
たとえば見出しの上限は「30文字」ですが、これは半角30文字のこと。全角だけで書くと15文字が上限になります。
Claude Codeに「文字数をLENB(半角換算)でチェックして」と指示すると、Pythonで全項目のバイト数を自動計算してくれます。
実際にチェックしたところ、見出し1本と説明文4本すべてが上限オーバーでした。
全滅です。
最初はLEN(文字数)で数えていて、LENB(バイト数)に切り替えたら一気にNGが出たという経緯です。
Excelの設計書にもLENB関数と上限値、OK/NG判定の列を入れてもらいました。こうしておけば、後から広告文を修正したときも自動でチェックが走ります。
AIに「自分で自分をチェック」させる
設計がひと通りできたら、Claude Codeにこう頼みました。
「この設計案を批判的な立場でレビューして、問題点を指摘してください」
すると、LP整合性の問題、キーワードの重複、除外キーワードの不足など、7項目の指摘が返ってきました。自分で作ったものを自分でチェックするのは人間でも難しいですが、AIに「批判者の役割」を与えると、別の視点からの指摘を出してくれます。
もちろん、指摘の中には的外れなものもあります。むしろ半分くらいは的外れでも、残り半分が鋭ければ十分です。それを判断するのは人間の仕事です。
Excelの設計書として出力
最終的に、以下の5シート構成のExcelファイルとして出力しました。
- キャンペーン概要: LP URL、CV/mCV設定、入札戦略、デバイス、配信地域
- キーワード: 全キーワード(検索ボリューム、推移、カテゴリ付き)
- 除外キーワード: カテゴリ別に理由を付けて整理
- 広告文: 見出し15本+説明文4本(LENB文字数・上限・OK/NG判定付き)
- 広告表示オプション: サイトリンク(URL付き)、コールアウト、構造化スニペット
すべてのテキスト要素にLENB関数による文字数チェックが入っているので、後から修正しても上限オーバーにすぐ気づけます。
やってみて気づいたこと
振り返ると、AIが力を発揮する場面と、人間が手を動かすべき場面がはっきり分かれていました。
AIが得意なこと
- LPの内容を読み取って構造化する
- 大量のキーワードデータを横断的に分析する
- 除外キーワードをカテゴリ分けして網羅的にリストアップする。これが一番助かりました
- 文字数チェックや数式の設定など、ルールベースの作業
- Excelのフォーマット作成
人間がやるべきこと
- キーワード調査ツールでのデータ取得(ツールの操作自体はAIにはできない)※MCPサーバーを接続すれば、ツールによってはAIから直接データ取得できるケースもあります
- 広告文がLPの内容と合っているかの目視チェック
- 広告文・説明文の最終的な精査と手直し
- クライアントの予算・体制に合った提案への調整
- 除外キーワードの「加減」の判断(厳しすぎると機会損失になる)
- 入稿後の運用・最適化(ここからが本番)
特に注意が必要なこと
- AIは「それっぽい」広告文を作るのが上手すぎる。LPにない内容を自然に盛り込むので、必ず照合が必要
- CSVのエンコーディング問題はほぼ毎回起きる。Claude Codeは自動で対応してくれたが、他のツールでは手動対応が必要な場合もある
- 文字数は最初からLENB(半角換算)で管理する。後から気づくと全部書き直しになる
今回、LP分析からExcel出力までの全工程にかかった時間はおよそ4時間でした。ただし、4時間ずっとこの作業だけをしていたわけではありません。AIにデータ分析や広告文の作成を指示したら、その結果が出るまでの間に別のクライアントの対応や他の業務を進めて、戻ってきたら出力を確認する。この繰り返しです。複数の業務を並行して進められるので、体感としてはかなり効率が良いと感じました。
まとめ
リスティング広告の提案書を作る工程は、AIと組み合わせることで「たたき台」の段階まではかなり効率化できます。
ただし「たたき台」は、あくまで「たたき台」です。
AIが出した広告文がLPと合っているか。除外キーワードが多すぎないか。クライアントの状況に合っているか。こうした判断は人間にしかできません。最終的な広告文の仕上げも、自分の目で見て、自分の手で直す工程は省けません。
AIはたたき台を作る優秀なパートナー。最終判断と仕上げは人間が行う。
この使い分けさえ意識すれば、広告設計の初期工程はぐっと楽になります。LPのURLを渡すだけで完成するわけではなく、複数の生成AIでペルソナを突き合わせたり、キーワード調査ツールで取得したデータを渡したり、人間側の判断と作業は必ず入ります。それでも、ゼロからすべて手作業で進めるのとは段違いの効率です。
今回の一連の工程は、最終的にClaude Codeの「スキル」として保存しました。スキルとは、作業手順や判断基準をまとめておくことで、次に同じような案件が来たときに再利用できる仕組みです。次の提案や導入のタイミングで実際に使いながら、精度を上げて育てていきたいと思っています。
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