2026.03.12 DX

Claude Codeで「自分の文体」を組み込んだ記事作成スキルをつくった話

AIの均一な文章を人間がチェックリストで手直しして自分らしい記事にする様子のイラスト

AIで書いた記事を読み返して、「なんか自分の文章じゃないな」と思ったことはありませんか。私は何度もありました。

構成は整っている、読みやすい、でも「これは自分の記事か?」と聞かれると自信がない。段落の長さが揃いすぎていて、文末が「〜です。」「〜ます。」の繰り返しで、箇条書きの項目が全部同じ長さ。整いすぎているのです。

中小企業のウェブサイトやブログで大事なのは、「この会社の人が書いている」という感覚です。お客様は完璧な文章を読みたいわけではなく、担当者の人柄や考え方が伝わる記事に安心感がある。

AIが出力するそのままの文章だと、どの会社が書いても同じ仕上がりになってしまいます。これでは発信する意味が薄れてしまいます。

Claude Codeの「スキル」機能で自分の文体を再現する

この問題を解決するために使ったのが、Claude Codeの「スキル」という機能です。

スキルとは何か

スキルとは、Claude Codeに繰り返し使う指示をファイルとして保存しておく仕組みです。一度作っておけば、/スキル名 と入力するだけで呼び出せます。毎回「こういうトーンで、こういう構成で、こういう表現は避けて……」と書き直す必要がありません。

Anthropic公式が「スキルを作るためのスキル」(skill-creator)も公開しています。また、公式ブログ「Improving Skill Creator: Test, Measure, and Refine Agent Skills」では、スキルは作って終わりではなく、テスト・測定・改善のサイクルを回すことが大事だと書かれています。スキルの説明文(description)をどう書くかで呼び出しの精度が変わるという点も参考になりました。

今回作ったスキルの目的

「自分が書いたような文体でブログのたたき台を作り、さらに人間が手直しするためのチェックリストをセットで出力する」というスキルを作りました。

スキルを作るまでの4ステップ

ステップ1 過去記事を分析する

まず、自分が過去に書いたブログ記事を10本、Claude Codeに読み込ませました。内訳は、AIを使わずに書いた記事が5本、AIを使って書いた記事が5本です。

分析したのは、文体、構成パターン、語尾の傾向、段落の長さ、導入と締めの書き方です。

ここで面白い発見がありました。AI使用前の記事には「なんでだろう?」「メンドクサイ」のような独り言が自然に入っていたのです。一方、AI使用後の記事でも、「秘伝レシピみたいなもの」「リクトのTOPページが多いですね」といった一次情報や素直な感想を差し込むことで、AI臭を消していました。つまり、AIの有無にかかわらず、読み手に「この人が書いている」と感じさせるための工夫を、自分はすでに無意識にやっていたわけです。

言われてみれば確かに、という感覚でした。

ステップ2 AI感の消し方を深掘りする

次に「段落の長短を平均化しないようにしたい」というフィードバックを元に、さらに分析を進めました。整理してみたら、やっていたことは意外とシンプルでした。AI臭を消すために意図的にやっていた手法が5つ見えてきました。

  1. 段落の長さを意図的にバラつかせる ── 50字程度の短い段落と400字近い厚めの段落を混ぜる
  2. 独り言やつぶやきを差し込む
  3. 文末が3回続いたら崩す、というルール
  4. 自社の実体験を挟む ── AIが持っていない情報を入れることで、AIには書けない文章になる
  5. AI感が残りやすい箇所を特定する

ステップ3 2つのアプローチをA/B比較する

文体ルールが整理できたところで、スキルの出力方法を2パターン試しました。

パターンA:たたき台の段階でAIに崩しを入れさせる。 そのまま使えるのがメリットだが、崩しのパターンが固定化してしまい、数記事書くと結局AI臭が出てくる。

パターンB:整ったたたき台+崩しチェックリストをセットで出す

メリットは人間が毎回違う判断で崩すので、記事ごとの個性が出ること。デメリットは手直しの手間がかかることです。

実際に同じテーマで両パターンの記事を生成して比較しました。結果、パターンBを採用しました。理由は明確で、AI臭を消す工程こそ人間がやるべき仕事だからです。AIに崩しまで任せると「AIが考えた人間らしさ」になってしまい、それは結局AI臭なのです。

手間はかかります。でも、その手間が記事の個性になるので、ここはサボれないところです。

ステップ4 スキルの完成

最終的に .claude/skills/blog-draft/SKILL.md としてスキルを保存しました。Claude Codeのスキルは、.claude/skills/ の中にスキル名のフォルダを作り、その中に SKILL.md というファイルを置く構造です。

構成はシンプル。入力として「テーマ・想定読者・伝えたいポイント」の3つを受け取り、出力として「たたき台本文」と「崩しチェックリスト(7つの観点)」をセットで返します。

チェックリストの7観点は以下の通りです。

  1. 段落の長短バランス
  2. 独り言・本音の挿入ポイントをチェックする
  3. 文末パターンの連続を確認する
  4. 箇条書きの均一性
  5. 導入・締めの定型表現
  6. 自社体験・一次情報の挿入ポイント
  7. ファクトチェック対象箇所をリストアップする

スキルは作って終わりではない ── ファクトチェックで育てる

スキルを完成させて早速使ってみたところ、別の記事(Googleカレンダー連携の記事)をたたき台で生成した際に事実と異なる記述が出てきたのです。

具体的には2つの問題がありました。

1つ目は、Googleカレンダーとの接続手順です。たたき台には「MCPサーバーをインストールする」と書かれていましたが、実際にはClaude Codeの設定画面にある「コネクタ」からGoogle Calendarを選ぶだけで、数分で接続できます。スキルにこの接続方法の知識がなかったため、AIが一般的なMCPの手順を推測して書いてしまったのです。

2つ目は、スキルファイルの保存パスの誤りでした。

こうしたミスは、AIにたたき台を作らせた後のファクトチェックで初めて見つかります。これはスキルの出来がどうとかいう話ではなく、AIの仕組み上しかたないことです。スキルに文体ルールをどれだけ精密に入れても、事実関係の正確さは人間の仕事。

Anthropic公式ブログ(Improving Skill Creator: Test, Measure, and Refine Agent Skills)でも「スキルはテスト・測定・改善のサイクルを回すことが大事」と書かれています。今回はまさにそのサイクルを1回まわした形です。間違いを見つけたらスキルを修正し、次の記事ではその間違いが出ないようにする。この繰り返しでスキルの精度は上がっていきます。

まとめ

AIはたたき台担当。個性と正確さは人間担当。

今回作ったスキルは、一度保存すればコマンドひとつで呼び出せます。テーマと読者と伝えたいポイントを入力するだけで、たたき台とチェックリストがセットで手に入ります。構成から下書きまで3時間かかっていた作業が、たたき台生成5分+手直し1時間で済むようになりました。

もしAIで書いた記事の「これ、AIっぽいな」という違和感に悩んでいるなら、まずは自分の過去記事を数本AIに読み込ませて、自分の書きグセを分析するところから始めてみてください。自分では気づいていなかった文体の特徴が見えてきます。

私自身、このスキルを使い始めてまだ数本ですが、記事ごとに微調整を加えています。スキルも記事と同じで、育てていくものだと感じています。

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