非表示にした情報がソースコード上にあり、AIの回答に出てしまった場合の削除方法

非表示に設定したはずの情報がAIに読み取られる様子を表したイラスト。パソコン画面の裏側に隠れた文字情報をAIが読み取っている構図。

「画面に表示していないから大丈夫」は本当でしょうか

Webサイトの中には、あとから公開する予定の公開日をまだ迎えていない情報や、一時的に非表示にした情報が書き込まれたページがあります。ページ自体は公開されていて、情報はソースコードにそのまま残っているものの、画面上だけ非表示にしているケースです。

この状態のまま放置すると、生成AIの回答にその情報がそのまま出てしまうことがあります。今回は、その仕組みと対応手順をまとめておきます。

AIに聞いたら、非表示にしているはずの情報が具体的に出てきた

まだ見せる予定のない情報がAIの回答に出てくる。

原因はソースコードに残った情報

該当ページのソースコード(ページの裏側にあるHTMLという設計図のようなもの)を確認すると、原因が見えてきます。

「画面に表示しない」設定にしていた部分の中に、非表示情報がそのまま書き込まれています。見た目には何も表示されていないため、公開予定がなくなり、担当者も忘れて情報を非表示のままにしてしまう。

ソースコードは、特別な知識がなくても誰でも見ることができます。ブラウザには「ページのソースを表示」という機能があり、これを使えば画面には出ていない部分の記述も、その場で確認できてしまいます。

「非表示にしていれば大丈夫」という考えは、多くの運用担当者で見落とされがちなポイントです。

クローラーは「見た目」ではなく「中身」を読んでいる

なぜ画面に出ていない情報が読み取られてしまうのか。仕組みは意外とシンプルです。

Googleの「クローラー」は、Webサイトを巡回してページの中身を読み取る仕組みです。見ているのは人間が目にする画面ではなく、その裏側にあるHTMLそのものです。「画面に表示しない」設定は、あくまでブラウザ上の見た目を調整しているだけで、HTMLに書かれた文字自体はサーバーから送信された時点で外部から読み取れる状態になっています。生成AIは、このクローラーが集めた情報をもとに回答を作っていることが多いため、画面に出していないつもりの非公開情報まで、そのままAIの学習に使われてしまうというわけです。

同じ理屈で、Webページの情報を自動で収集する「スクレイピング」というツールにも、同様に読み取られてしまいます。AIが関わっていなくても、非表示にしていた情報がそのまま抜き取られ、他社サイトに転載されてしまうこともあります。

非表示要素とクローラー・生成AIの関係図
非表示要素とクローラー・生成AIの関係図

AIの回答に出てきてしまったときの対応(Geminiの場合)

Geminiの回答は、先ほど説明したクローラーが集めた検索エンジン側の情報がもとになっています。そのため対応もGoogle検索側の窓口が中心になります。効果を保証できるものではありませんが、参考として手順を残しておきます。

1. 元データの削除

まず、ソースコードの中から該当する非表示情報をすべて削除します。

2. 検索エンジンへの再クロール依頼

Search Console(サイトの状態をGoogleに伝える管理画面)の「URL検査」機能から、該当ページを早めに読み直してもらうよう依頼します。修正後の内容を優先的に確認してもらえます。

3. 検索結果に残った古い内容の消去

再クロールを待つだけでは、その間ずっと古い情報が検索結果に表示されたままになってしまいます。そこでSearch Consoleの「非表示」機能(検索結果側の表示を消去する申請機能で、ここまでの画面上の非表示設定とは別の話です)から、古い説明文だけを消去するよう申請します。

Search Consoleの「非表示」申請画面(スニペットを消去)
Search Consoleの「非表示」申請画面(スニペットを消去)

なお「キャッシュの更新」という以前あった機能は、現在は使えなくなっているようで、代わりに「スニペットを消去する」機能が用意されています。Googleの機能名や手順は予告なく変わることがあるため、実際に試す際は管理画面で最新の表示を確認しながら進めてください。

非表示ツール(スニペットを消去する)の詳細はこちら

4. Googleへの法的な削除リクエスト

検索結果の表示更新だけでは不安が残る場合は、Googleの正式な削除申請の窓口からも手続きを行います。この申請は、情報の権利を持つ本人、またはその委任を受けた代理人が行う必要があります。制作会社の立場で対応する場合は、代理人として申請できる項目が用意されているので、そちらを利用する形になります。

申請すると、Google側から以下の情報を求められることがあります。あらかじめ準備しておくとやりとりがスムーズです。フォームの項目は変わることがあるため、実際に申請する際は最新の画面を確認してください。

  • 削除を希望する回答に至った、検索クエリ全体のスクリーンショット
  • 削除を希望する回答全体のスクリーンショット
  • 該当する回答が検索に表示される国

法的削除リクエストを申請する

5. 他の生成AIへの対応も忘れずに

Google以外のAIサービスでも同じ情報が出ていないか確認しておくと安心です。表示されていた場合は、それぞれのサービスに削除の窓口が用意されている場合があります。

対応してもすぐには終わらないケースもある

ソースコードの修正が検索結果に反映されると、Googleから、報告した回答が確認できず特に対応は行わないという趣旨の返信が来ることがあります。該当の情報を含む回答自体が表示されなくなったことを、Google側でも確認できたということなので、ここまでくればひとまず解決とみてよいでしょう。

ただ、話がそれだけで終わらず、一度公開してしまった情報が他社サイトに転載されているケースもあります。AIの回答には、その転載内容が引用されて出てくることも珍しくありません。

こちらは自社サイトの管理が及ばない領域の話です。Googleへの申し立てとは別に、その他社サイト側に直接、掲載内容の修正や削除を依頼する必要があります。

そもそもの対策は「書かない」こと

一連の流れを振り返ると、「非表示にする」という対応そのものが、情報を守る手段にはならないという点に行き着きます。

見せたくない情報があるなら、非表示にするのではなく、そもそもHTMLの中に書かないというのが正しい対策です。

まとめ

  • 「非表示」と「情報を守る」は別問題です
  • 公開したくない情報は、そもそもソースコードに書かないのが一番の対策です
  • 万が一漏れてしまった場合は、元データの削除、再クロール依頼、検索結果の表示更新、削除申請という順番で対応してみてください。確実に消せる保証はありませんが、できることから手を打つことが大切です
  • 自社サイトを直しても、他社サイトに転載されている情報までは防げません。そちらは別途、掲載元への修正依頼が必要です

Web制作に関わる中で、こうした落とし穴は誰にでも起こり得ます。心当たりのある方は、一度非表示にしている情報がないかサイトのソースコードを確認してみませんか。

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