
Zoho CRMを日常的に運用する中で、画面の行き来(タブ移動)の手間や、データの不一致に悩まされた経験はありませんか?
例えば下記のような経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?
- 商談画面を見ている最中に、取引先の最新の電話番号や契約プランを確認したくて、別タブで『取引先』画面を開き直している
- 連動項目で商談に取引先の住所をコピーしてきたけれど、親データの住所が更新されたのに商談側が古い住所のままで情報がズレてしまった
これらのストレスを解消する新機能が、Zoho CRMに登場した「ミラーの要素」です。
当記事では、「ミラーの要素」の基本性能や、従来の「連動項目」との違い、そして導入時の注意点まで解説します。
Zoho CRMの「ミラーの要素」とは?
「ミラーの要素」とは、一言で言えば「親レコード(取引先や連絡先など)の特定の情報を、子レコード(商談など)の画面上にリアルタイムで映し出す鏡(ミラー)」のような機能です。
従来のルックアップ機能では、関連付けたレコードの名前リンクをクリックして親画面へ飛ぶ必要がありました。
しかしミラーの要素を使えば、商談などの詳細画面を開くだけで、親レコードにある「電話番号」「メールアドレス」「現在の契約ランク」などが自動的に表示されます。
主な3つのメリット
1.画面の行き来(タブ移動)が劇的に減る
作業中の1画面で必要な情報が揃うため、確認スピードが向上します。
2.常に100%リアルタイム同期
親データ側で値が更新されると、ミラー側も即座に最新情報に切り替わります。
情報の先祖返りや古いデータでの勘違いが起きません。
3.読み取り専用による誤操作防止
ミラー表示された値は子画面からは直接編集できません。
現場の担当者が誤って親データを書き換えてしまうリスクを防げます。
従来機能「ルックアップ項目の連動項目」との違いと使い分け
Zoho CRMで親データを引っ張ってくる機能といえば、従来からある「ルックアップ項目の連動項目」が定番でした。
一見似ている2つですが、仕組みと用途は全く異なります。
| ミラーの要素(新機能) | ルックアップ項目の連動項目 | |
| データの同期 | 継続的に同期されます。 常に親データの最新の値が反映され、値が一致しなくなることはありません。 | 関連付け時の一度のみ同期されます。その後は値が独立し、時間の経過とともに元データと値が一致しなくなる可能性があります。 |
| データの保存 | 親データのリアルタイムの値を表示します。子データには保存されません。 | 値は子データにコピーされ、独立した項目として保持されます。 |
| 権限 | 個別に設定することはできません。権限は親タブ・親項目・現在のタブのルックアップ項目から自動的に継承されます。 | 管理者が自由に設定できます。親データやタブに依存することはありません。 |
| 編集の可否 | 読み取り専用のため、編集はできません。親データの値が表示されます。 | 編集可能です。親タブ・親データから独立しているため、ユーザーは直接値を変更することができます。 |
上の図は【Zoho CRM】「ミラーの要素」リリースのお知らせ:データ画面を離れることなく、関連するデータをリアルタイムに表示できるようになりました。より引用
使い分けの基準
ミラーの要素を使うべき場面:
「商談画面で、取引先の『最新の担当者電話番号』を見たい」
⇒ 「常に最新の情報を画面上で確認したいだけ」 の場合はミラーの要素が最適です。
連動項目を使うべき場面:
「受注時点の請求先住所を商談レコードに固定で残したい」
⇒ 「過去の特定時点のデータを保持したい」「集計や自動化に使いたい」 場合は連動項目を選びましょう。
構築前に要チェック!「ミラーの要素」の制限と落とし穴
非常に便利なミラーの要素ですが、設計時に気を付けるべき仕様・制限がいくつか存在します。
一覧ビュー(リストビュー)には表示されない
ミラーの要素が表示されるのは「作成画面」「編集画面」「詳細画面」のみです。
レコード一覧画面に項目として並べることはできません。
ワークフローやレポート、条件検索には使えない
ミラーの要素はあくまで「画面上の表示用」です。
そのため、「ミラー項目が特定の値になったらメール送信する」といったワークフローのトリガーや、レポートの集計軸として利用することはできません。
設定数の上限
1件のタブにおけるミラーの要素の件数の上限は100件です。
また、ミラーの要素は、最大5件のルックアップ項目に対して設定可能です。(ルックアップ項目数の上限は、利用中のプランによって異なります)。
まとめ
Zoho CRMの新機能「ミラーの要素」は、現場の無駄なタブ移動やデータ更新の漏れによる確認ストレスを劇的に減らしてくれるツールです。
ただし、従来のルックアップ項目の連動項目と、ミラーの要素の特徴を理解して使い分けることが有効利用のカギとなります。
ミラーの要素
- 常に最新データを確認したい
- 誤入力を防ぎたい
ルックアップ項目の連動項目
- 特定時点のデータを記録したい
- レポートや自動化に使いたい
「画面移動が多くて現場から不満が出ている」「データが古くて間違いが起きている」とお悩みの方は、ぜひこの機会に「ミラーの要素」を活用した画面設計の見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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