
「無料」だと思っていたイラストが、実は有料素材だった
先日、鹿児島県志布志市が、ネットで見つけた「無料」のイラストを使ったところ、実は有料素材で著作権侵害にあたるとして158万円を支払った、というニュースを見かけたことがきっかけでした。
同じような事例は、志布志市だけではありません。石川県加賀市でも、ホームページに7年間掲載していたイラストが有料素材だったとして、157万円を支払うトラブルが報じられています。
自治体だから起きた特別な話ではありません。ホームページやブログで画像を使う会社であれば、どこでも起こりうるトラブルです。
なぜ「無料のつもり」が著作権侵害になるのか
無料素材サイトには、それぞれ利用規約があります。この規約を誤解したまま使ってしまうことが、トラブルの主な原因です。
無料素材の中には、実は「著作権表示(クレジット表記)が必要」という条件付きのものもあります。作成者名やサイト名の記載が義務付けられているにもかかわらず、規約を確認せずに表記なしで使ってしまうケースがあります。
商用利用が禁止されている素材を、会社のホームページに使ってしまうケースもあります。無料と有料の素材が同じサイトに混在していて、気づかないまま有料素材をダウンロードしてしまうことも珍しくありません。
このあたりの注意点は、以前のコラム「無料素材サイトを利用する上での注意点~クレジット表記とは~」でも詳しく解説しています。素材を選ぶ際に一度目を通していただくと安心です。
著作権エージェントから届く「使用許諾の確認メール」
実際に画像を無断使用していた場合、海外の著作権エージェントから直接メールが届くことがあります。「あなたの会社のホームページで、当社が権利を持つ画像が使われている」という内容で、ライセンス証明の提出か、支払いを求めるものです。メールは英語で届くことが多く、「Case No.」のような管理番号とともに、専用の確認ページへのログインを促す文面になっているというわけです。「ライセンス購入なら◯◯円、補償金なら△△円、支払期限は◯月◯日まで」と、金額と期限が具体的に提示されているケースもあります。
実はリクトでも、こうした確認メールを受け取った経験があります。
こうしたメールが届くと、驚いて慌ててしまいがちです。ですが、まず落ち着いて次の2点を確認してください。
- 該当の画像を、いつ・どこから入手したか(購入履歴やダウンロード記録)
- 有料素材として正規に契約している場合は、その証明(領収書・ライセンス規約のスクリーンショットなど)
証明が用意できれば、それを提示することで解決するケースがほとんどです。一方で、こうした本物の請求メールと、著作権を装ったスパムメールは見た目が似ていることもあります。両者の見分け方は「DMCA Copyright Infringement Noticeのメールのスパム」で紹介していますので、メールが届いて不安なときはあわせてご確認ください。
過去の記事で使った画像も、棚卸しをおすすめします
今回のようなトラブルは、最近公開した記事に限りません。数年前に公開したブログ記事で使った画像も、後から遡って指摘される可能性があります。
出所がはっきりしない画像を使った記事に心当たりがある場合は、次のいずれかの対応を検討してみてください。
- 画像を削除する
- 出所が明確な有料素材に差し替える
- AIで生成した画像に置き換える(費用を抑えたい場合はこれがおすすめです)
とくにAIで生成した画像への置き換えは、第三者の権利を侵害するリスクを抑えやすく、生成にかかる費用も1枚あたり数円〜十数円程度と比較的安く済むため、場合によってはリクトでもお客様にご案内することもあります(商用利用の可否はサービスごとの利用規約によって異なるため、その点だけ確認は必要です)。
まとめ
「無料」だと思って使った画像が、実は有料素材だったというトラブルは、決して珍しい話ではありません。
- 無料素材サイトの利用規約は、ダウンロード前に必ず確認する
- 著作権エージェントからメールが届いたら、慌てず購入履歴やライセンス証明を確認する
- 過去のブログ記事の画像も、出所がわからないものは棚卸しする
心当たりのある画像がないか、この機会に一度、ホームページやブログを見直してみませんか。確認の仕方も含めてお手伝いできますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
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